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第11回全国夕陽サミットin滋賀県長浜市

戦国武将が観た夕陽―湖北長浜の夕陽に官兵衛は何を感じたのか

夕陽と語らいの宿ネットワーク(岸本一郎会長=滋賀県長浜太閤温泉・浜湖月)は9月23日、滋賀県長浜市の琵琶湖水鳥・湿地センターで「第11回全国夕陽サミットin長浜」を開きました。サミットはネットワーク会員施設が所在する地域で毎年開催しているもので、今年は「戦国武将が観た夕陽~湖北長浜の夕陽に官兵衛は何を感じたのか」をテーマにシンポジウムや夕陽観賞会などが行われ、約80人が出席しました。

夕陽サミットin長浜
湖北みずどりステーションから望む
琵琶湖の夕景

「官兵衛」効果で名所に

サミットは岸本会長のあいさつで始まり、びわこビジターズビューローの北沢繁和専務理事、衆議院の上野賢一郎議員、奥びわこ観光協会の林源栄会長があいさつしました。

北沢専務理事は「今回、第11回目の全国夕陽サミットを滋賀県長浜市で開催されることにまず感謝します」と述べ、来年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の舞台として長浜が登場することを紹介。「大河ドラマの舞台として長浜が取り上げられることをきっかけに滋賀県観光の魅力を夕陽とともにアピールしていきたいと思います」と話しました。

この後、上野議員は「夕陽をテーマにしたサミットが毎年開かれていることを初めて知りました。今回を機に自分自身、地域の夕陽のすばらしさを再認識したい」、林会長は「今回のサミットを通して地域の人たちと共に湖北の夕陽のすばらしさを知り、湖北に来られるお客様に伝えたい」と語りました。

次いで長浜城歴史博物館副館長の太田浩司さんが「戦国武将と夕陽」をテーマに講演を行いました。太田さんは琵琶湖に浮かぶ竹生島を「夕陽の島」とし、次のように話しました。

「一昨年の大河ドラマ『江~姫たちの戦国』はオープニング映像に竹生島が映っていました。竹生島は、浅井氏がもっとも信仰した島です。浅井氏が湖北を治めていたのは、初代の亮政から長政まで50年間ほどですが、湖北における人気は絶大なものがあります。本日は、浅井氏の気持ちになって夕陽を観てください。感慨深いものがあるはずです」

パネルディスカッションでは太田さん、ネットワーク顧問で俳優の油井昌由樹さん、旅行作家の西本梛枝さん、元湖北町教育長の高橋文雄さん、西武文理大学教授の松坂健さんがパネラーとなって「戦国武将と夕陽とロマンと」をテーマに語り合いました。

夕陽サミットin長浜
戦国時代に思いを馳せ湖北の夕陽について話した
パネルディスカッション

来年の大河ドラマ「軍師官兵衛」の話題で、太田さんは「おそらくドラマのクライマックスは、秀吉と勝家の家臣・佐々成政が雌雄を決する賤ヶ岳の大返しになると思います。大垣から湖北まで13里を5時間で秀吉の軍勢が湖北に戻ってきました。官兵衛が考案した作戦として描かれ、琵琶湖に沈む夕陽とともに駆ける姿を期待しましょう」。高橋さんは「幼少のころの官兵衛が人質として長浜城に捕えられていたとき、故郷のお母さんを思って夕陽を観るシーンの登場を焦がれています。長浜は夕陽の一大名所になるはず」と話して会場から笑いを誘っていました。

西本さんは、湖北らしさを武将ではなく観音様ではないかと提起。「湖北の民が自分たちより先に守ったのが観音さん。皆さん、自分の観音さんをお持ちだと思うんです。観音さんは皆、琵琶湖の方向、つまり西を向いていらっしゃいます。西方浄土です。ですから、湖北の皆さんにご自分のお好きな観音さんとその風景の中に私を連れていってほしい」。

油井さんは、観音さんの額に光る白毫(びゃくごう)について触れ「実は、人間にもこの場所に松果体といって光を感じる部分があります」。目が見えない人でもパラリンピックで短距離走や走り幅跳びができるのは、その部分で光を感じているから。「鉢巻をすると、この人たちは一歩も走れない」そうだ。「だから」と油井さんは「夕陽を観るときは額を開けましょう」と話しました。

松坂さんは「谷川浩子さんの歌に、朝日を天ぷらにというのがあるんです。夕陽も料理することを考えましょう。夕陽は西日から生まれる。いま生まれてきたものなんです」。

パネルディスカッションに続いて長浜観光協会の観光PR隊で、長浜市を拠点に活動する音楽湯ユニット「Lefa」のボーカル、北川陽大さんが第11回全国夕陽サミット宣言「長浜宣言」を読み上げ、来年のサミット開催地は兵庫県の赤穂で開催されることが発表されました。

夕陽観賞パーティー アートと歌で夕陽送る

サミット終了後は、隣接する道の駅・湖北みずどりステーションへ移動し、夕陽観賞パーティーを行いました。パーティーにもサミット参加者の大半が残り、琵琶湖を紅く照らしながら沈んでいくこの日の夕陽を見送りました。

夕陽サミットin長浜
琵琶湖面を照らしながら沈みゆく

パーティーには、長浜市の藤井勇治市長も駆けつけました。藤井市長は長浜への歓迎の意を表し「この夕陽を大切に、皆さんと一緒に観られるようまちづくり、環境整備を進めていきます」などとごあいさつをいただきました。

会場では「夕陽と語らいの地域大賞」の表彰式、画家の大西幸仁さんによる「夕陽アートライブ」、Lefaのライブコンサートなども行われました。

大西さんのライブは、会場から見た夕陽からパワーを得て即興で書き上げていくもので、できあがった作品には参加者から感嘆の声が上がっていました。当日描かれた絵は、長浜市の紅鮎、浜湖月で現在もご覧いただけます。

夕陽サミットin長浜
大西さんの作品をはさみ記念撮影

また、サミット宣言文を読み上げた北川さん率いるLefaのお2人が「琵琶湖就航の歌」など数曲を披露。さわやかな歌声とともに、琵琶湖を挟んだ対岸の比良の山々に夕陽が沈みゆくさまは叙情豊かなひと時となりました。

夕陽サミットin長浜
「琵琶湖就航の歌」を歌うLefaのお2人

地元から参加していた女性は「湖北の夕陽が一段と好きになり、誇らしく感じることができました」と感想を話していました。