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第14回全国夕陽サミットin岡山県鷲羽山

夕陽がニッポンを救う―朱色に染まる瀬戸内海から考える

夕陽と語らいの宿ネットワーク(岸本一郎会長)主催の「第14回全国夕陽サミットin鷲羽山」が9月22日、岡山県倉敷市の鷲羽山下電ホテルで開かれました。サミットはネットワーク会員施設が所在する地域で毎年開催しているもので、今年は「夕陽がニッポンを救う~朱色に染まる瀬戸内海から考える」をテーマにシンポジウム、夕陽観賞パーティーを行いました。この日は残念ながら雲に隠れて夕陽は見られませんでしたが、約50人の参加者で瀬戸大橋越しに沈んでいったであろう夕陽に思いを馳せました。

夕陽サミットin鷲羽山
瀬戸大橋越しに沈みゆく夕陽

基調講演 夕陽をコンテンツにする

第14回全国夕陽サミットは冒頭、主催者を代表して岸本会長と地元、鷲羽会の槇尾要人会長があいさつ。来賓の岡山県議会議員の蓮岡やすしさんは「夕陽でインバウンドをどう獲得するかがカギ」、倉敷市議会議員の森守さんは「美しい夕陽が見られる鷲羽山を全国に発信していきたい」と意欲的でした。

基調講演は、せとうち観光推進機構事業本部長の村橋克則さんが「夕陽は観光コンテンツとして有用なのか」と、具体的な事例を挙げて分析しました。

コンテンツとして集客面では、SNSのインスタグラムで「夕陽」の投稿数がたいへん多いことから「有望」と診断。観光客の満足度については、宿泊予約サイトのデータを基に「夕陽が見られる見られないというロケーションではなく、旅の思い出づくりがカギになっています。語らいを重視すべき」。経済効果の面でも「夕食後から就寝までの間がもっとも消費意欲が高まります。夜の語らいの演出にこそ換金化のチャンスが隠れています」。

さらに「喉が渇き何か飲みたいというのはニーズ。せっかく来たのだから地酒が飲みたいというのがウオンツです。ウオンツにどう応えるか、機能としての飲み物の価値だけでなく、モンドセレクション受賞など情報的な価値を付加することによって、目的化でき人を呼ぶことができます」と話しました。

そして村橋さんは、参加者の皆さんにこう呼びかけました。「いま写真を撮ることが旅の中で非常に大きなウエイトを占めています。夕陽を撮影することを刺激してあげてください。それから、ここだけの希少性を感じられたり、達成感を得られるような夕陽の見せ方、サンセットヨガやコンサートと組み合わせ、有用なコンテンツにしていきましょう」。

夕陽サミットin鷲羽山
旅を思い出に夕陽を生かした取り組みを
呼びかけた村橋さん

パネルディスカッション 多島美と人文景観が両立

パネルディスカッションは「鷲羽山の夕陽からニッポンの観光を考える」と題し意見交換。

鷲羽山は標高134メートル、瀬戸内海国立公園特別地域に指定されています。鷲が羽を広げたように海に突き出ていることから、山頂は「鐘秀峰(しょうしゅうほう)」と呼ばれています。

NPO法人鷲羽山の景観を考える会理事長の楠本新太郎さんは「鐘秀峰からは大小50あまりの島が望める多島美と、瀬戸大橋が一望できます。特に夕陽は、天皇陛下が平成17年にご来訪された折に歌を詠まれ称えていただきました。鷲羽山は、エーゲ海と瀬戸内海だけにしかない内海的多島美、その多島美の中に島々の段々畑や漁港など生活を営む人文的な景観が見られます。そういう2つの価値を持っているのが鷲羽山なのです」。

夕陽と語らいの宿ネットワークの顧問で、夕陽評論家の油井昌由樹さんは「瀬戸内海は神のいたずらか絶妙な配置の島があり、その中を沈んでいく夕陽は、世界の夕陽を見てきた者にとっても間違いなく世界一です」。

さらに油井さんは、鷲羽山で夕陽を見た時に東の空を見てみようと呼びかけ「紫色の影が上がってきます。これ、地球の影なんです。これがどんどん広がっていく。ぜひやってみてください」。

夕陽サミットin鷲羽山
「鷲羽山の夕陽からニッポンの観光を考える」
と題し意見交換

和歌山市・加太観光協会会長の利光伸彦さんは、8年前に加太で開催した夕陽サミット「夕ひなまつり」を紹介し「夕陽をいかに地域資源として、お客様に来てもらえるようにするかを考えました。加太をうたった万葉集の歌にかけて、夕陽に向かって二枚貝に言霊を込めて海に帰すというイベントを行いました。今後はサンセットクルーズなどを行い、地域商品をブランド化させ、住民の皆さんと一緒に活性化するような地域づくりを行っていきたいと考えています。夕陽、瀬戸内海というくくりで皆さんと連携したいとも思っています」と話しました。

村橋さんは、自身が務めているDMOについて話しました。「Mにはマーケティングとマネジメントの意味があります。マーケティングとは顧客を想像することです。マネジメントは私は儲ける仕組みづくりと考えています。単に夕陽ではなく、観光は時間消費型産業ですから、移動そのものに課金できるようにサンセットクルーズなどを考えてみてください」。

夕陽観賞パーティー 雲で見えずとも...ライブで盛会

夕陽観賞パーティーは、鷲羽山下電ホテルのシーサイドガーデンで行われました。本来は無人島に渡る予定でしたが、雲が厚く夕陽が見えそうにもないため会場を変更。それでも、夕陽と語らいの地域大賞の発表サミット宣言文を朗読したまゆみゆのライブ、シーフードバーベキューなどで盛り上がりました。特にまゆみゆ2人のライブは、オリジナル曲から懐メロまで幅広いジャンルで参加者を楽しませました。

サミットで13回連続で見られた夕陽観賞の記録が途絶え、同ホテルの永山久徳社長は「私が楽しみにしているものは不思議と雨に見舞われます。でも、その後に素晴らしいものが待っています。妻と結婚するきっかけも雨でしたから、間違いないです」と話し喝采を浴びました。

夕陽サミットin鷲羽山
「まゆみゆ」がサミット宣言文を読み上げ

夕陽サミットin鷲羽山
「まゆみゆ」がライブで盛り上げ

夕陽サミットin鷲羽山
バーベキューも楽しんだ

次回第15回開催地 支笏湖で会いましょう

第15回全国夕陽サミットの開催地に決まった北海道千歳市・千歳観光連盟の佐々木智秀さんが「来年は千歳市で会いましょう」とアピールしました。

千歳市と言えば北海道の空の玄関口、新千歳空港のイメージが圧倒的ですが、実は観光スポットも豊富。特に、周囲が火山に囲まれ昼夜四季を問わず様々な表情を見せる支笏湖は夕景も自慢です。佐々木さんは「透明度の高い支笏湖がキラキラと輝きます。湖畔から望む夕陽をぜひ見に来てください」。

開催は2017年9月の予定です。

夕陽サミットin鷲羽山
アピールする佐々木さん