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第18回全国夕陽サミットin大阪府東大阪市

夕陽のまち東大阪―モノづくりとコトづくりを発信

「夕陽のまち東大阪〜モノづくりとコトづくりを発信〜」をテーマに夕陽の日の9月23日、第18回全国夕陽サミットin東大阪(主催・夕陽と語らいの宿ネットワーク、共催・一般社団法人東大阪ツーリズム振興機構)が大阪府東大阪市のホテルセイリュウで開かれました。東大阪市の広報紙などでも告知し市民ら約80人が参加、シンポジウムのほかミニライブ、夕陽観賞会と盛りだくさんな内容で「夕陽のまち」を改めて確認する1日になりました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
ホテルセイリュウの東大阪スカイテラスから望む
大阪のまちを深紅に染めて沈む夕陽

あいさつ 明日へつながるエネルギー

第18回全国夕陽サミット㏌東大阪は冒頭、東大阪市の野田義和市長があいさつ。「秋分の日を『夕陽の日』に制定されているのは、すごくいい日を選ばれたと思います。お彼岸には道端で赤い彼岸花が咲いています。彼岸花は花が咲いているとき葉は出ず、花が散ってから葉が出ます。花は葉を思い、葉は花を思う。夕陽は朝日を思い、朝日は夕陽を思う。命が連綿と続いていくという思いがあります。夕陽は沈んでいきますが明日頑張ろう、いいことがあれば明日もいいことがある、しんどければ明日はいい日に変えていこうと、そういうところに続いていくのかなと。夕陽は今日から明日へつながるエネルギーであると思います」と話しました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
野田市長

記念講演 心鎮めて「日想観」で充填

次いで記念講演として、平安時代から夕陽を観じて極楽往生を誓願する「日想観」が修されてきた東大阪市・生駒山麓の往生院六萬寺の川口哲秀住職が登壇しました。川口住職は、南北朝時代の武将・楠正行と弟正時ゆかりの寺の歴史に触れつつ「お彼岸の日、真西に沈む夕陽は四天王寺の五重塔の法輪に突き刺さるように沈んでいく。河内往生院から見る夕陽は、平安の当時も今も変わりません。心を鎮めて夕陽をご覧になってください」と伝えました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
川口住職

基調講演 消費促し域内調達率を高める

基調講演は、東大阪ツーリズム振興機構の理事長で、近畿大学経営学部教授の高橋一夫さんが「Afterコロナの観光市場と東大阪の観光振興戦略について」と題して話しました。

高橋さんは、昨年政府が一律10万円を給付した特別定額給付金について「皆さん使わずに貯金した金額は25兆円になります。自動車や家電製品はコロナ禍でも必要であれば購入します。でも、友だちとの食事、親しい人と行く旅行、孫や子どもと遊びに行く...こういったものをずっと辛抱してきました。旅行に行きたい人はうじゃうじゃいるんです」。

「これは海外でも同じことです」と高橋さん。コロナ後の海外旅行について、欧米やアジアでは約8割がしたいと答え、世界中すべてのエリアで46%の人が日本に行きたいとし、希望する行き先の1位は日本だそうです。

「これからどういう時代を迎えるのか不安に思っていますが、国内外から間違いなく戻ってくるのだとしたら、今その準備を進めていかなくてはいけない。チャンスです」と強調しました。

では、観光関連産業は「どう立ち直ろうとしているか」。航空会社は効率のいい機材に変える、旅行業界は今もっとも市場として大きい5人以下の旅行に対してウエブ販売でダイナミックパッケージを販売し、店頭販売との融合を図っていると紹介した上で、「東大阪ではどのように迎えるのか」。

高橋さんはこう言います。「地域で観光振興を行う目的はなんなのか、旅行客の数を増やすことだけで考えない」「観光は賑わいを作るだけでなく、消費を拡大しないと何の役にも立たないことをはっきりさせよう」。その上で「地域の中の調達率を上げる。地域で採る、獲れたもの、地域にあるものをしっかりと使っていく。それを地域の合意にしていくように努力しないといけません」と話しました。

そのため東大阪市では「お客さんの数×消費単価×域内調達率」を観光振興の役割と認識するよう高橋さんを中心に音頭をとっています。花園ラグビー場やモノづくりに取り組む皆さん、昭和の匂いがする商店街―。これらを東大阪のコンテンツと位置づけ、個人旅行のマーケットに対峙しようと取り組んでいるそうです。

最後に高橋さんは「スゴ技を見る体験だけではお金は落ちない。旅行中で一番お金を使う飲食と組み合わせる。体験と食事を楽しんで東大阪のファンになってください」と呼びかけました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
高橋一夫さん
(東大阪ツーリズム振興機構理事長)

パネルディスカッション 市民にも伝えたい宝物

高橋一夫さんの基調講演に続き、パネルディスカッションでは3氏が「東大阪の夕陽」を語りました。「世界中で夕陽を撮影してきたが、地元の人たちの写真にはかないません。これだけ素晴らしい夕陽が見えることを誇りにしてほしい」(夕陽と語らいの宿ネットワーク顧問・油井昌由樹さん)、「生駒山麓の自宅から、休日は夕陽と乾杯しています。この至福の時を市民の皆さんに伝えたい」(東大阪市在住の野瀬和宏さん)、「食と体験に夕陽を加えて東大阪を楽しんで」(高橋さん)と呼びかけました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
東大阪の夕陽の魅力を夕陽評論家、市民の目線から話す

ミニライブ MAINAさんは賛歌

東大阪市出身で、メジャーデビュー後も東大阪を拠点に活動しているMAINAさんがギタリストの小西順也さんとミニライブ。ふるさとの夕陽を思い自作した「夕陽」や「Rainbow」を歌いました。小柄な身体つきからは想像できない豊かな声量の歌声に参加者は魅了されました。

MAINAさんは「誰にとっても唯一無二の夕陽が、このまちからはきっと見えるのです」とするサミット宣言文も読み上げました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
ふるさと東大阪の夕陽をテーマにした
自作の歌を熱唱するMAINAさん

夕陽観賞会 夕陽と大阪平野を一望

夕陽サミット後、ホテルセイリュウが4月にオープンした東大阪スカイテラスで「夕陽観賞会」を実施しました。テラスからは大阪平野が一望でき、あべのハルカスなど市街の高層ビル群や六甲山など北摂の山越しに沈む夕陽が絶景です。

本来なら、テラス自慢のバーベキューを味わいながら夕陽を観賞したいところでしたが、時期的にお弁当とノンアルコール。それでも目前に刻々と広がる夕景に皆さんは感嘆の声をあげていました。

盛り上がったのは、夕陽と語らいの宿ネットワーク顧問の油井昌由樹さんと参加者で繰り広げたジャンケン大会。テラスのバーベキュー・ペア食事券や日本植物医生のスキンケア商品、東大阪市のキャラクター「トライくん」のぬいぐるみなどをめぐりって皆さん、赤く染まった空に向かってグーチョキパーを突き上げてきました。

ぽつぽつとまちが灯り始め、完全に姿が隠れるまで夕陽を見送りました。参加者の一人は「東大阪からの夕陽がこんなに素晴らしいなんて初めて知りました。久々に心も身体も解放された気分です」と言って、テラスを後にされました。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
油井さんと参加者でジャンケン大会

#東大阪夕陽フォトコンテスト

第18回全国夕陽サミットの開催に合わせて、東大阪ツーリズム振興機構と本ネットワークでは「東大阪夕陽フォトコンテスト」を実施。9月1̶15日の期間、SNSのインスタグラムに「#東大阪夕陽フォト」と投稿した作品の中から最優秀グランプリ作品、優秀作品2点の計3作品を選び、夕陽サミット席上で発表、表彰しました。

期間中約200作品の投稿があり、(1)「夕陽と語らい」というストーリー性があること(2)「東大阪ならでは」「東大阪らしさ」を感じさせること̶を審査基準としました。

グランプリは、花園ラグビー場という東大阪のランドマークと自転車で通りかかった人を撮影し東大阪らしさ、暮らしに至るまで想像力を掻き立てる夕景の作品。

優秀作品は、大阪市などのビル群に沈みゆく夕陽を広角で撮影し、東大阪から見る夕陽を的確に切り取り雲とのバランスも評価。もう一点は、阪神高速道・近鉄けいはんな線という東西に走る大動脈を中心に据え、一目で東大阪の夕景と分かり色彩が鮮やかであることが選出理由でした。

審査に当たった東大阪ツーリズム振興機構や東大阪市、ネットワーク事務局は「思いのほか投稿数が多く、どれも力作で、東大阪の夕陽のポテンシャルを感じました」。

夕陽サミットin大阪府東大阪市
グランプリ作品

夕陽サミットin大阪府東大阪市
優秀作品

夕陽サミットin大阪府東大阪市
優秀作品