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第16回全国夕陽サミットin大阪南港&パンスタークルーズ

サンセットシティ大阪の奇跡と必然

夕陽と語らいの宿ネットワーク(岸本一郎会長)主催、国土交通省近畿運輸局・関西クルーズ振興協議会後援の「第16回全国夕陽サミットin大阪南港&パンスタークルーズ」が2018年5月18日、大阪市住之江区のATCサンセットホールで開催されました。サミットはネットワーク会員施設が所在する地域で毎年開催しているもので、今年は「港と船と夕陽」をテーマにしたシンポジウムと、日韓クルーズフェリーのパンスタードリーム船上で夕陽観賞パーティーを行いました。シンポジウムには約50人が出席しました。

夕陽サミットin大阪南港
韓国・釜山タワーから望む夕景

基調講演 クルーズの付加価値化

第16回全国夕陽サミットは、はじめに主催者を代表して岸本一郎会長がこれまでのサミット開催経緯を紹介しました。次いで、韓国観光公社の李丙賛大阪支社長が釜山と大阪のつながり、釜山をはじめとする韓国観光の魅力を映像を交えてアピールしました。

基調講演は、大阪経済法科大学の池田良穂客員教授による「クルーズと夕陽」。池田さんは船舶工学がご専門である傍ら、国内外のクルーズ船に多数乗船し、クルーズ産業や観光学にも精通しています。

講演では、自身が撮影された夕景の中に浮かぶ客船、船上から望む水平線や島々の陰に沈む夕陽の写真を紹介。マニラの夕陽、エーゲ海の夕景をパンフレットに掲載し集客につなげている外国クルーズ客船の事例も取り上げました。

「長い航海の外航クルーズ客船もそうですが、もっとも夕陽を集客に活用しているのは遊覧船やレストランなど、デイクルーズ客船です。夕陽を船上ディナーの付加価値として活用したり、昼と夜の間のすきまを埋めるサンセットクルーズとして稼働率の向上を図っています」。その一方で、大阪湾の付加価値として夕陽の活用はまだ途上にあると指摘。「それぞれ個性を持った顧客の満足度につなげるために夕陽の活用法を考えないといけません」とし、夕陽の活用法を設計変数とした顧客満足度の最適化を数式で表す方法を示しました。

夕陽サミットin大阪南港
「夕陽の活用法を考えよう」と呼びかけた
大阪経法大の池田客員教授

パネルディスカッション 西方へ拡大する大都市の可能性

基調講演の後に行われたパネルディスカッションは「船と港と夕陽~サンセットシティ大阪の奇跡と必然」をテーマに話し合われました。

パネリストは、夕陽評論家で俳優の油井昌由樹さん、大阪市港湾局計画整備部長の田中利光さん、大阪観光局経営企画室長の中村哲也さん、サンスターラインの野瀬和宏さん、基調講演も行った池田さんの5人。コーディネーターは夕陽と語らいの宿ネットワークの奥坊一広理事が務めました。

油井さんは、日本各地をはじめ世界各国の夕陽を見てきた経験を踏まえて「もともと夕陽に優劣はないのですが、大阪の夕陽はまちの暮らしや文化、宗教と密接に関わっていることで、唯一無二性を有しています」などと話しました。

田中さんは、古来より大阪港が夕陽の沈む西へ西へと拡張してきたことを紹介。「天保山サンセット広場や中央突堤のダイヤモンドポイント、舞洲の新夕陽丘など美しい夕陽を眺望できるスポットが点在していることも大阪港の特徴の一つです。夢洲では大阪万博、IRが計画されており、ベイエリアが大阪の集客をけん引していくことになります」。

また、中村さんも大阪府内に数多くの夕陽の名所があるとし「好調なインバウンドで外国人観光客にも、大阪の夕陽をアピールし滞在時間の増大につなげていきたいですね」と話しました。

夕陽サミットin大阪南港
パネルディスカッションで活発な意見交換

野瀬さんは、自社のフェリー・パンスタードリームが瀬戸内海の夕陽を見られる数少ない船であることをアピール。「瀬戸内海の多島美と夕陽の魅力は世界クラスの観光資源だと思います。どんどん発信していきたい」と意欲を見せ、池田さんも同意していました。

奥坊さんは「夕陽を信仰する四天王寺を創建した聖徳太子は『日出る国の天子』と自ら名乗りました。そして今、日入る国々から外国人客を乗せたクルーズ船、フェリーが大阪を目指してやってきます。西方に開けた都市という奇跡、そして夕陽と密接につながるようになった必然性を大阪というまちに感じざるを得ません」。

釜山タワーで念願の夕陽望む クルーズフェリーで韓国への旅

夕陽サミット終了後、夕陽と語らいの宿ネットワークのメンバーを中心に、大阪港国際フェリーターミナルから、パンスター・ドリーム(2万1535・)に乗り込みました。瀬戸内海の夕陽を船上から見て、韓国・釜山へ向かいます。

夕陽サミットin大阪南港
大阪港国際フェリーターミナルで
パンスタードリームを背景に記念撮影

パンスター・ドリームは大阪と釜山を結び週3便が運航しています。夕方に出港して、翌朝到着します。今回は、金曜日の夕方に大阪を出港する便だったので、土曜日に釜山で泊まって丸2日間の韓国観光を楽しみ、再び船に乗って月曜の午前中には大阪に戻るというスケジュール。まさに週末のクルーズフェリーの旅でした。

船内はビュッフェスタイルのレストラン、カフェ、寿司カウンター、カラオケルーム、サウナ&大浴場、酒や化粧品などを扱う免税店、ギフトショップ、コンビニエンスストアなどが備わっています。クルーズゾーンには専用ラウンジなどもあり、クルーズ客船並みの設備です。あいにく夕陽は望めませんでしたが、明石海峡大橋をはじめ波静かな瀬戸内クルージングを楽しむことができました。

船は翌朝、完成間もない立派な釜山クルーズターミナルに到着。焼肉や海鮮鍋など釜山の名物料理を味わったほか市内を観光しました。

釜山のマチュピチュと呼ばれている甘川洞(カムチョンドン)。山肌に建ち並ぶ家屋はカラフルにカラーリングされ、そこかしこにアート作品が置かれているユニークな集落です。韓国国内でも人気のスポットで、多くの観光客で賑わっていました。

待望の夕陽は、まちのシンボル釜山タワーで観賞しました。龍頭山公園(ヨンドサンゴンウォン)の山頂部に建つ高さ120メートルのタワーで、展望室からは釜山市街が一望できます。そして夕陽の絶景も。夕陽サミット初の海外での夕景をたん能しました。

夕陽サミットin大阪南港
釜山タワーの展望室から夕景をたん能

次回第17回開催地 南紀勝浦温泉で会いましょう

基調講演、パネルディスカッションでの意見交換を踏まえて、サンスターラインの野瀬社長が「第16回全国夕陽サミットin大阪南港&パンスタークルーズ」の大阪南港宣言を読み上げ、全会一致で宣言文(別掲)を採択しました。

最後に、来年の開催地である和歌山県を代表して、夕陽と語らいの宿ネットワークの利光伸彦監事が「来年は夕陽の日(日本記念日協会登録)である9月23日に、南紀勝浦温泉のホテル浦島で開催します。皆様ぜひお運びください」と参加を呼びかけました。