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第17回全国夕陽サミットin和歌山・南紀勝浦温泉―南紀勝浦温泉宣言

南紀勝浦温泉宣言

雄大な太平洋の上にたなびく雲を紅が射していきます。太陽が紀伊半島の山々に近づくにつれて、海に浮かぶ雲も辺り一帯も紅は鮮やかさを増していきます。いま太陽がその姿を隠そうとしている山々は、古来人びとをひきつけてやまない聖地・熊野です。

縄文の時代から中世、近世、近代、そして現代に至るまで多くの人が自らの力で聖地を目指してきました。その巡礼の旅は、道険しく多くの労苦を伴うものです。日が昇るとともに1日の旅が始まり、宿営地で夕陽を眺めながら、その日の旅を振り返る。泊まる場所に温泉があれば、疲れを癒し心身をよみがえらせ、翌日からさらに続く巡礼の旅の糧を得ることができました。

それは、明けては暮れる太陽が刻む悠久の時間の流れの中で、豊潤な自然に神々が宿り、脈動する大地から温泉が生まれ、それらを畏怖し崇拝し、その恵みを今日まで糧としてきた、今の私たちの営みとも重なるものです。

今日、そんな八百万(やおよろず)が渾然一体として今もあり続けている場所こそが南紀であると改めて認識しました。個性的な12の温泉地があり、その数字は月や干支の周期と重なることを知りました。夕陽は365日、1日たりとも同じ表情を見せず、ほんのわずかな時間や少し場所の違いを加味すると無限の数になることも知りました。

南紀12湯を月に一度あるいは一年に一度めぐり、夕陽を眺める。それは、天空と大地の恵みが豊潤な南紀だから授かることができるのかもしれません。

だからこそ、今を生きる私たちは、先人に思いを馳せ、その恵みを将来に渡って紡いでいかなければなりません。12カ月、12年で一巡りするたびに自分自身を再生するきっかけとしながら、渾然一体とした南紀のあり様を虚心にみつめ寄り添うことを大切にしていきたい̶。

南紀12湯、南紀の夕陽を「よみがえりの湯」「よみがえりの夕陽」として南紀の宝にしていくことを今日宣言します。

2019年9月23日


第17回全国夕陽サミットin和歌山・南紀勝浦温泉 参加者一同

宣言文朗読
中平 理咲